日本のソース① 各種ソースの特徴・違い

日本では当たり前に手に入る、とんかつソースやお好みソース。
国によっては、そのまま「ブルドックソース」「おたふくソース」が売っているそうですが…
近くに日系スーパーが無かったり、節約を考えたりすると、なかなか買えませんよね。私は10年前、トルコに住んでいた時に、醤油すら買えなくて絶望しました。

今でも、醤油に比べると、日本のソースはマイナーな存在です。あんなに美味しくて、外国人受けも良いのに…。そこで、日本のソースが無い状況でも、とんかつやお好み焼きを楽しむために、まずは日本のソースについて、原料や味の特徴を調べました。

ソースの原料

日本のウスターソース、中濃ソース、とんかつソース、お好み焼きソースは、どれも基本的には「果物・野菜」「香辛料」「お酢」でできています。

なお、お酢の割合は約30%!野菜・果物のコクと甘みがあるから、まろやかな酸味になっているのですね。

 

なお、イギリスの元祖ウスターソースと、日本のソースでは、原材料が以下のように異なります。

ウスターソース、中濃ソース、濃厚ソースの違い

JAS規格により、粘度によって区別されます。粘り気の少ない順に、ウスター < 中濃 < 濃厚 です。
(参考:ウスターソース類の日本農林規格

それぞれの味の特徴を、以下にまとめました。

ウスターソース:野菜や果実が少なめ。さらっとした液体で、酸味があり、スパイシー。
中濃ソース  :ウスターソースより、野菜や果実が多い。とろみと甘みがある。
濃厚ソース  :中濃ソースより、さらに果実が多い。とろみと甘みが強い。

ソース濃度

 

お好み焼きソース、とんかつソースの違い

どちらも、基本的には濃厚ソースです。ただし、味には違いがあるようです。オタフクのHPにて、お好みソース・トンカツソースの原材料を確認してみました。

原料の野菜・果物

とんかつソース:トマト、りんご、たまねぎ、その他
お好みソース :トマト、デーツ、たまねぎ、その他

どちらもトマトがメインですが、とんかつソースはりんごの爽やかな甘さ、お好み焼きソースはデーツのこってりした甘さです。

とんかつソース

 

旨味成分

とんかつソース:食塩>醤油>アミノ酸液>オイスターエキス
お好みソース :アミノ酸液>食塩>醤油>オイスターエキス>肉エキス>昆布>しいたけ

お好み焼きソースは、旨味成分の量・種類ともに多いです。特に、昆布やしいたけという、和風だしの材料が入っている点がポイントです。

お好みソース

 

焼きそばソースの特徴

焼きそばソースは、さらっとした商品から、とろみのある商品まで、様々なタイプがあります。全体として、以下のような特徴があります。

・果実による甘み、とろみが少ない
・肉、魚貝類の旨味が多い
・炒めたときにスパイシーで香ばしくなるような、香辛料や醤油が入っている

旨味が重要なため、とんかつソースよりはお好みソースに近く、そこに出汁や醤油が加わったイメージです。

焼きそばソース

 

各種ソースの特徴 まとめ

とんかつソース:さっくり、こってりしたとんかつに合わせ、爽やかな甘さで、とろみが強い。
お好みソース :小麦の生地・出汁の風味に合わせ、酸味が少なく、こってりした甘みと旨味。
焼きそばソース:甘みととろみが控えめで、旨味が強く、スパイシー。

各ソースの特徴

甘み(sweet)とろみ(thick)旨味(umami)酸味(sour)辛み(spicy)
ウスターソース
(Worcetershrire Sauce)
中濃ソース
(medium thick sauce)
とんかつソース
(Tonkatsu sauce)
お好みソース
(Okonomi sauce)
焼きそばソース
(Yakisoba sauce)

 

おまけ:日本のソースはなぜ甘い?

海外のウスターソースに比べ、日本のソースはかなり甘口です。なぜでしょうか?

明治時代、洋食とともに、イギリス式のウスターソースも、日本に渡ってきました。しかし、当時の使い方は、本場と同じく下味や風味付けでした。

明治時代の後半から大正時代になると、コロッケやトンカツなど、日本式のフライ料理が流行しました。すると、醤油のようにたっぷりかけて使える、辛みや酸味の少ないソースが求められるようになりました。

すると各社が競って、独自のソースを開発。お米に合う甘辛い味を好む、日本人の味覚に合わせた味のソースが、多く作られるようになりました。

歴史

 

第2次世界大戦中は、砂糖が不足し、ソースの生産も急減。戦後はその反動からか、甘みの強いものが好まれたため、甘くとろみがあり、酸味や辛味の少ない、濃厚(フルーツ)ソースが誕生しました。

その後、濃厚ソースとウスターソースの中間である、中濃ソースも誕生。口当たりの良さから、東日本で普及しました。一方で、戦前から酸味のあるソースが好まれてきた関西では、酸味と辛みのあるウスターソースと、甘口の濃厚ソース、両方を使い分けるようになりました。

ソース勢力図

(参考:独立行政法人農畜産業振興機構 ソースについて

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